HERBA-S

雑多な記録、ブロメリア/多肉/水辺草/雑草/野草

Tillandsia tenuifolia var. cocoensis

Tillandsia tenuifolia var. cocoensis SEL.91-0099A

↑花弁は咲き始めが特に青白く縁が波打つ。3-4cmほどの多肉質な葉と太い茎を持ち、節間も短くより詰まった印象。Tropifloraから導入した株。

 

Tillandsia cocoensis('Cocoensis' BCR Bromeliad Cultivar Register> (bsi.org))として扱われていたTillandsiaのひとつ?。近年、tenuifoliaの一変種とされるとかされないとか。

 

タイプはBrazil, Estado Rio de Janeiro close to the border to Espirito Santo, north from Campos, Morro do Côco,leg. Reinhold Thieken 1983. Holotype:WU.

 

国内で見かけるcocoensisはRainforest Floraなどからのものが多いのかなあと思います。環境差なのか花苞の色がかなり濃いピンクものと薄いものがあるようです。当方栽培下ではRainforest由来の開花がまだ観測出来ておらずとりあえず別物としています(※Rainforestの株は恐らく一様ではないという前提はありますが)

↑綺麗(語彙力)

tenuifoliaグループは小型で栽培が易しく花も美しいので大好きなのですが似たものやハイブリッドを疑うものも多く分類や管理に難儀します。一般的なcocoensisと呼ばれるものもT. araujeiやそのハイブリッドとの混同などがないかもわかりません。

 

Labeled/ Tillandsia tenuifolia var. cocoensis SEL.91-0099A/TF7909

 

Neoregelia 'Speak No Evil'

Neoregelia 'Speak No Evil'  (L. Vinzant)

↑日照により赤く発色している。'Fire Ball'に酷似するが直径20㎝以上と比較して大きい。(carolinae variegated x 'Fireball') × hoehneana

BCR Bromeliad Cultivar Register> (bsi.org)

 

Billbergia 'Darth Vader'などで有名なハワイの育種家Lisa Vinzant作出の斑入品種。

Grexに'See No Evil'と'Hear No Evil'というほぼ見た目の変わらない(笑)Grex?品種があるので機会があれば是非手に入れたい。

 

栽培も特に難しくなく見た目も美しい。Neoregeliaの栽培品種全般に言えることだがくれぐれも札落ちとならないよう特に気を引き締める必要性はあるだろう。

 

Labeled/ Neoregelia 'Speak No Evil' (L. Vinzant, ex. Takumi Sugiyama)

Biilbergia 'Beadleberg'

Billbergia 'Beadleberg' (M. Baxley)

↑2022年11月下旬。花芽を確認。

 

(nutans × amoena 'Rubra')

数あるヌタンスハイブリッドのひとつで BCR Bromeliad Cultivar Register> (bsi.org)

特別目立つスポット模様やバンドがあるわけではないが全体に安定した赤さとシンプルな形状が魅力。恐らくいくつもの似たような実生苗からより赤く整ったものを選んだのだろうか(個人的にこの手のハイブリッドは意外としっかりと赤さが出る個体は出づらい印象がある。)

 

↑花序。BCRの画像に比べamoena感がかなり強い。もしかすると1クローンではないのかもしれない。

Tillandsia berracoensis

Tillandsia berracoensis 

リーフスパン40㎝高さ30㎝ぐらい。葉は革質で硬く多肉質というほどでもないが分厚い。葉幅の広いfascicultaという第一印象。

 

(由来について)

近頃はTillandsiaを扱っていたことがすっかり昔話になってしまった感のあるKohresがリリースしていたようです。この株も2017年にKohresから輸入された株でCuba Alt.800mというざっくりとしたロカリティがついています。

そしてこの berracoensis、おそらく有効な種小名ではなくKohresのリストでのみ使用されているようでそれ以外に有用な情報は検索に引っ掛かりません笑。

 

Germany Kohres 2000.pdf

↑2000年のKoehresのリスト。ちなみにberracoensisはこの当時45€。

 

まだ得体が知れないので種小名に含まれるberraco-ensis、キューバにそのような場所があるのか確認すると、BerracoではなくVerracoという地域がキューバ南東にありました。恐らくスペルミスでVerracoではなくBerracoとなったのかもしれません。(Verracoの町から10㎞ほど北上すると標高が800m付近となり更に北にはグランピエドラ国立公園の山域が広がっています。)

↑ピンがVerracoの町の位置。↓付近のロケーション。

 

ではTillandsia verracoensisが正しい表記かと思いきや、そのような学名は記載されておらずberracoensisと同様に調べても情報は皆無です。

 

↑枯れた花序。残念ながら花色は不明。どことなくfasciculataっぽい。

Tillandsia berracoensisの正体?)

まるで情報のないTillandsia berracoensis。憶測の域を出ませんが現状最も正体に近いものとして Tillandsia 'Verraco' BCR Bromeliad Cultivar Register> (bsi.org) と関係が深そうです。←詳細はリンク先を読んでいただければ。

 

’Verraco’は2009年にfasciculataが片親のNatural Hybridとして扱われているなにか。として登録されていますがその委細を読んでみると形態的特徴にberracoensisと重なる点があり、自生地もCuba, between Daiquiri and Guatanamo, leg Lydia and Gerhard Kohresとされています。自生地が前述のVerracoからほど近い標高800m前後のエリアと重なる上にLydiaのところにあった似ている株となれば全くの無関係と考えるのは難しいのではないでしょうか。

 

ここからはほぼ妄想ですが恐らくはLydia夫妻がキューバのVerraco付近で採集した野生株が便宜上berracoensis (verracoensis?)として販売され、私の手元に転がってきていて≒Tillandsia ’Verraco’の可能性もあるのでは。と考えています。

 

ただ、'Verraco’は画像を見てわかる通り、赤い色素が目立ちますが手元にあるberracoensisはあまり赤くないのでどうにも現物を比較せずには同じものだろうとも言えないのが正直なところです笑。そもそもLydiaが当該エリアで採集した株がひとつとは限らず、また別の未記載種、自然雑種である可能性もあります。

 

 

認知されず気を抜くと消えゆく株のひとつのような気がしたため、取り急ぎ雑な記事を書いてみました。何か関連のある情報を持っている方がいらっしゃればご教示いただければ嬉しい限りです。

 

Labeled/Tillandsia berracoensis ex. Koehres imported 2017 Cuba, 800m near Verraco?

 

Aloe '夜の姫'

Aloe '夜の姫'

 

開花サイズが小さく、短く太い葉の特徴的な見た目の個人的にかなり好きなハイブリッド

 

三重県のコロンカクタスさんオリジナル交配のようで

A. '千代姫' (variegata ×descoingsii)とA. descoingsii のハイブリッドとのことです。

 

variegataとdescoingsiiそれぞれの特徴を感じるとても魅力のある品種だと思うのですが流通量は多くはなく、まだまだこれからの品種という印象です。

 

画像の株は3.5号鉢に植えています。(画像2枚目)

 

ブログをはじめてみる2023年

植物を育ててるただの会社員

 

子供の時分の生き物好きの延長で山野草や水生植物に始まり、色々とかじってブロメリアと呼ばれるパイナップルに近縁な植物群メインに育てたり集めたりなんだりして落ち着いています。

 

議論の必要な内容、不勉強のため至らぬ点、間違った情報を投稿することもあるかと思いますが誰かの園芸活動の足しになったりならなかったりすることができれば幸いです。

 

Twiiter. nudi @ssBROM_v